ぶってぃー、私を殴れ。私はこの27時間の間、たった一度だけ、ちらと君を疑った。
編集長ぶってぃーは27時間走った。
ぶってぃーの頭は、からっぽだ。何一つ考えていない。ただ、わけのわからぬ大きな力にひきずられて、部室の外に飛び出し、27時間もの間必死でマラソンをしながら、各地で再掲ツイートをし続けた。陽は、ゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も、消えようとした時、サライのメロディーが流れ始め、ぶってぃーは疾風の如く再び部室に突入した。
ぜー、はー、ぜー、はー。
さくら~ふぶ~きの~♪
ぜー、はー。
寝る間も惜しんで27時間の再掲ツイートをし続けた編集長が部室に戻ると、そこにはなんと……
「噂のソセキュンティウス!!!」
ぶってぃーは眼に涙を浮べて言った。
「私を殴れ。ちから一ぱいに頬を殴れ。私は、途中で一度、ライターたちを信用する気持ちを忘れ、ヒトツマミの可能性を信じる心を忘れ、『ヒトツマミはクソだ』という悪い夢を見た。君がもし私を殴ってくれなかったら、私は編集長を続ける資格さえ無いのだ。殴れ。」
ソセキュンティウスは、すべてを察した様子でうなずき、
「ぶってぃー、私を殴れ。同じくらい音高く私の頬を殴れ。私はこの27時間の間、たった一度だけ、ちらと君を疑った。途中で企画がとん挫して、読者のことを裏切るのではないか、と君を疑った。君が私を殴ってくれなければ、私はライターを続けられない。ってか、読者がいなければ、ライターがいなければ、ヒトツマミは続けられない。」
「「ありがとう、読者よ。ありがとう、ライターよ。」」
二人同時に言い、ひしと抱き合い、それからヒトツマミを読んで、ガハガハ声を放って笑った。
どっと群衆の間に、歓声が起った。
「万歳、ヒトツマミ万歳。」
そこでひとりの少女が、ロケットをぶってぃーに捧げた。ぶってぃーは、まごついた。佳き友は、気をきかせて教えてやった。
「ぶってぃー、君は、新たな読者を得たり、振り返る機会を得たり、27時間を走りぬいたかもしれないが、宇宙にぶっとんでいないじゃないか。早く今後のヒトツマミの更新に取り掛かるがいい。この可愛い娘さんは、ヒトツマミの新しい記事を皆で見られるのが、たまらなく待ち遠しいのだ。」
ぶってぃーは、ひどく赤面した。
これにて、春の27時間ヒトツマミ~記事単調殺し~は終演です!!!
日頃からご愛読いただいているヒトツマミストの皆さま、いつもありがとうございます。
これを機にヒトツマミの読者になってくださった皆様、ようこそヒトツマミへ。
これからもヒトツマミは「国立発、宇宙ぶっとびメディア」の名に恥じぬよう、編集長が激怒しないよう、記事単調殺しの姿勢で、アツい展開でくだらない最高の記事を生み出していきます。
まあ、そもそも今回の企画自体、ただ記事を貼る企画だったのでね、春樹だけに。
また明日から通常運転、頑張っていきます。
これからもよろしくお願いいたします!
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