そもそも自己紹介ってなんのため?ウソはOK?
ヒトツマミをご覧の皆さん初めまして。ライターのカネキと申します。
軽く自己紹介をしますと、今年の8月に就職活動を終えました、卒業まっしぐら(単位残数20)の四年生です。幼少期に近所のお祭りのクジ引きでボンバーマン4を引き当てて以来、音信不通だった強運が急にやる気を出してくれたおかげで、第一志望であった某財閥系総合商社で来年度から働くことになっています。
この度、就活生の方々から寄せられたお悩みに対して、独断と偏見に満ちたアドバイスを無責任かつ好き勝手にするという、お悩み相談室的な連載を始めさせて頂くことになりました。(※個人の感想です)というマスメディア御用達、詐欺スレスレの注意書がこれでもかと登場する予定です。
就職活動は人生をそこそこ左右するライフイベントです。悩みを抱えている人も沢山いるはずです。というかこの連載の性格上むしろいて欲しい、いないと困る。特に西東京の片田舎で育まれた純朴で清い子羊のような一橋大学生のこと。荒んだ社会への適合の第一歩に戸惑うことも多いかと思います。多少のお力になれれば、と微力ながら精進する所存。ワンサイズ下のヒートテックを買ってしまった時の如くグイグイと身も心も引き締まる思いです。
スマート・強靭・グローバルという三拍子揃った一橋大学の学生であっても、就活の荒波はそう易々と乗りこなせるものではありません。
未だに面食らうのですが、早慶の学生とか物凄いギラギラしてます。普通に会話してて、「二日で二時間しか寝ていない」「六本木は心の地元」「ライフハックが捗る」みたいな地獄のミサワみたいな文言が現実に横行しています。彼らは良い意味でも悪い意味でも世間慣れ、世間擦れしたシティボーイ。学生の世界観から社会人の世界観への移行という大きなトランジションも、大した苦労もなくスムーズにこなしている印象です。その一方で良くも悪くも平和に育った一橋大生の中には、慣れない空気感での戦いに苦労してしまう人を結構見かけます。
またマ〇ナビ然り、リク〇ビ然り、自称キャリアコンサルタントのストールを巻いた胡散臭いおっさん然り、それがお金になるからと言って悪戯に学生の不安を煽ってくる大人たちも世の中には沢山います。のんびり朗らか、真っ直ぐ育った一橋大生はそうした雑音に苛まれてしまうことも多いです。
リクルートスーツというユニフォームに身を包み、コンクリートジャングルで必死に戦い、傷つき、疲労した就活生の皆さんのちょっとした息抜き、小雨あがりの水たまり程度のオアシスにでもなればと思って書かせて頂きます。ちょっとの間のお付き合い、どうぞ宜しくお願いします。
それでは早速記念すべき一つ目のお悩みに参りましょう。今回寄せられたお悩みはこちらです。
懐かしいですね、SARS。流行りましたね。一気にノスタルジックな気分に浸れました。
当時小学3年生。好きだった女の子が犬好きという情報を仕入れた自分は、わざわざ親戚の家に犬を借りに行って「今オレの家に犬がいるから見に来ない?」というロクでもない私立文系男子大学生みたいな口説き文句でその子を家に誘い一緒に遊んだりしてました。今はどちらかというと奥手なタイプなので当時の自分のバイタリティーは何処へ、って感じです。
本題に戻りますと面接の自己紹介で何を話したらいいのか分からない、という質問ですね。
結論から正直に言うとアリッサ川崎さんは自己紹介にめちゃめちゃ失敗しています。その失敗は安藤美姫のバラエティタレント転身、石川遼の髪形、キヨの球界復帰宜しく火を見るより明らかです。
これは前置きになりますが、面接というものは仮に落ちたとしても何がダメだったのか、どうすれば評価されたのか教えてくれません。採点の中身が完全にブラックボックスになっており反省する機会が中々持てないのです。ともすれば面接官との相性が悪かった、とか相手が自分の考えを理解してくれなかった等、周囲の環境のせい=自分のせいではないという発想をしてしまいがちです。
就活は多少運の要素も絡んできますが優秀な人はやはり自分の志望を叶えていますし、8~9割は実力の世界です。努力の方向さえ間違えなければやった分だけ返ってくる、自分の力で作用できる論理のシビアな世界です。自己反省できずに運とか縁とかアンコントローラブルな要素を持ち出す人は自分の志望を叶えられていないことが多いので、こうした機会にしっかり反省しときましょう。
と、いう訳でこの連載では基本的に回答の中身はちょっと厳しめに書きますね。ドMにならないと就活は乗り切れません。愛のムチと思って、決して炎上させずに生暖かく見守って頂けたら幸いです。
さて、前置きが長くなりましたがポイント別にどういう風に自己紹介をしたらいいのか解説していこうと思います。
◆自己紹介って何のためにするの?
まずこれは就活一般にいえるアドバイスなのですが、「何のためにそれをするの?」を世間一般、常識、当たり前だと考えられてる事象においても考えましょう。
「何のために自己分析をするのか?」「何のためにOB訪問をするのか?」「何のためにこの質問をするのか?」、3限ですら寝ブッチしがちなお茶目で怠惰な一橋学生にとっては死ぬほど面倒くさいですけど、いちいち考えましょう。森羅万象その背後には何か合理的な理由があるわけで、それに気付けると無思考に陥りやすい就活のレースで簡単に頭一個抜けることが出来ます。
自己紹介も例にもれず、そこには面接の最初に自己紹介をする合理的な理由があります。それは文字通り「自己」を「紹介」するためです。要は自分がこれから面接で話すことの骨格、材料、エッセンスを伝えて相手に自分がどういう人間なのか、何となくのイメージ抱いてもらうためのものです。
10分かそこらの短い時間で自分という人間の全てを伝えることはほとんど不可能です。まずは全体図を渡して何となくの輪郭だけでも把握してもらって、その後の面接をスムーズに進めるために自己紹介というのは必要な訳です。言い換えれば、面接で話すべき重要事項の目次を伝える、と言っていいかも知れません。で、それを聞いた面接官はその目次を参照・利用しながらその後のコミュニケーションを進めていくわけです。
全く初対面の女性との会話を考えてみて欲しいんですけど、どの話題を話したら盛り上がるか、見当もつかない状態だと口説くのにもの凄く手間がかかるでしょう。「どこ出身なの?」とか「高校は何をやってたの?」とか闇雲数うちゃ当たる戦法で貴重な会話の時間を浪費していても終電の時間は待ってくれません。むしろ決まっているはずの終電の時間が早まるというミラクルすら起こり得ます。挙句「長女?」とか訳のわからない質問をして相手の女性を困惑させてしまうのは少なくとも筆者にとってはよくある話です。
でももしそこで仮に相手が「バスケをやっていた」「次女」「昭和歌謡がたまらなく好き」という前情報があればストレートで盛り上がれる話題に辿り着けるわけです。カラオケでも三代目とか嵐とかバンプとか歌って様子を見なくても、いきなり尾崎紀世彦を入れれば良いわけですし。
限られた時間の中でお互いのことをよく知るためにはそうした前情報を伝えることが重要です。まして10分そこらという面接の極めて限られた時間の中では、伝える情報の質というか純度を極めて高いものにする必要がある訳です。
面接でされる一つ一つの質問の裏側には明確な目的、合理的な理由があります。その目的、理由に則していない回答は基本的にNGです。その質問を通して相手が何を知りたがっているか、きちんと読み取りそれを踏まえた上で回答を行うのが面接の基本のキ、イロハのイ、大前提のダ、となります。
◆聞かれていることに答える
さて、自己紹介をする目的・意図を理解した上でアリッサ川崎さんの自己紹介をみると「自分の全体像を伝える・面接で話したい内容の目次を伝える」という目的は果たせているでしょうか。残念ながら答えはNOです。
全く持って必要な情報、相手が聞きたいと思っていることを伝えられていない訳で、たぶん時間の無駄です。ストレス耐性アピール等の自己PRはこの場面では求められていません。「学生時代頑張ったことは?」とか「自己PRして」とか、相手が自分の強みを知りたがっているな、と察した時にアピールしましょう。全体像を伝える方が先決です。スマブラでも不必要なアピールは死に直結します。聞かれていることに答える、これは面接の鉄則です。
軽く蛇足ですが、実はこれ仮に自己PRで話したとしても若干問題があります。小学校位昔の話だと現在のアリッサ川崎さんとどのくらい連続性あるの?という点でまず疑問が湧きます。志望動機ならまだしも、自己PRで使えるエピソードは遡れて高校時代のものだと思います。お腹を空かしている少年に噛みまくって味の無いガムを食わせているようなものです。賞味期限は大分前に切れてます。
またイジメというのもかなりネガティブな印象を与えるワードなのでメチャクチャ取り扱い注意です。最悪の場合、精神的にアンタッチャブルなゾーンが大きくてこちらが気を遣わなければいけない面倒臭い奴、というレッテルを貼られる可能性もあります。それは本懐じゃないでしょうし余計なリスクです。
◆面接でつくウソはバレるのか?
これは結構気になってる人が多いと思うのですが、バレるかどうかは結構属人的な要素で、緻密に作り込んだりウソがよっぽど上手い人はバレずに乗りきれることもあります。ただウソは基本的につかない方がいいです。
理由は第一にウソをついて落ちた時の後悔が大きいです。本当の自分で勝負しなかった、存在もしない他人の褌で相撲をとったという後ろめたさは、こうしておけばという面接後のifクエスチョンを途方もなく重くします。
面接って大方は人の優劣より会社との適正を測るものです。ウソをつくことはその大前提を覆すことになります。仮にウソを貫き通して受かったとしても、作り上げた別の誰かを評価してもらった訳で会社とのミスマッチが生じる可能性が大きいです。落ちたとしても「合わなかったんだ」でカラッと済みますし、精神衛生上やっぱりウソは良くないです。
第二に、先ほどウソはバレないこともあると書きましたが基本的には多分バレてます。筆者はウソついた面接はことごとく落ちました。20年積み重ねた経験は視線や振る舞い、言葉など色々な形を持って顕れているのでしょう。あんまり大人を舐めてると痛い目に遭うこともあります。
ただ適度に話を盛ることは皆やっていることですし許容されることですので、あまりに馬鹿正直にやるのも考え物ではあります。0を1にすることと1を10にして言うことは別物だと思って割りきった方がいいです。
◆面接でのウケ狙い
最後に聞かれてもないことに答えますね。もの凄いブーメラン。この自己紹介なんですが、もしかして笑い取りに行ってませんか????ちょっとウケ狙いに行ってねえか????掴みでひと笑いとって空気あっためようとしてんだろ!
いいかよっぽど自信がある鉄板話以外の果敢なボケは身を滅ぼすぞ!ここは宴会芸を披露する場所じゃねえんだ!!求められていないボケに失敗してクソすべりクソ太郎という烙印を押されたらそこから挽回することは不可能だからな!!!身内に囲まれた飲み会でウケがとれた程度の大学生ノリの薄っぺらい芸に付き合う程社会人は暇じゃねえんだ!!!!何度も言ってるが相手が必要としてる情報を伝えろ!!!!!!笑いが必要だという空気を感知したその時にのみ場に応じた冗談が許されるからな!!!!!!!相手が欲しがってもいないものを押し付けるようなコミュニケーション下手に明るい未来があると思うなよ!!!!!!!!この記事もちょいちょいボケてますが別に求められて無かったら心からごめんなさい!!!!!!!!
最後は邪推で取り乱してしまいました。アリッサ川崎さんの前途に明るい未来が待っていることをお祈りしております。
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