続けた先に見えたもの。委員会、部活の魅力とは?
こんにちは、蛮勇亭にゅーとんです。
早いもので短期連載「私のバシライフ 〜卒業を前に今思うこと〜」も最終回です!
今回は一橋祭委員、そして硬式野球部のマネージャーをそれぞれされていたお2人にお話を伺いました。1つのことを続けることの魅力や、いわゆる縁の下の力持ちの役割についてお聞きしました。
今、大学生活に悩んでいる在校生だけでなく、新1年生の皆さんも、これを読んでみると大学生活のイメージが描けるかも?
対談者基本データ |
浮田さん:社会学部の4年生で、一橋祭委員のほか卒業祝賀会実行委員を務める。実は私、蛮勇亭にゅーとんが1年半前、ヒトツマミに入って初めて取材したお相手(→その記事はこちら)。お互いどこかで会ったような気はしつつ、取材終了間際になってやっと思い出しました(笑)
橋野さん:社会学部の4年生で、硬式野球部のマネージャーを務める。おっとりオーラが素敵すぎて取材中幸せでした(笑) 下手なモノマネに果敢に挑み続けているそうで、過去には野々村竜太郎を真似たことも……。
↑左:橋野さん、右:浮田さん。以下敬省略
もくじ |
・団体に入ったきっかけ、思い出
・両立、続けること
・縁の下の力持ちとして
・一橋生活を振り返ってみて
--今日はよろしくお願いします。
浮田・橋野「よろしくお願いします。」
--まず、それぞれの団体に入ったきっかけを教えてください。
橋野「私は野球がすごく好きだったとか、中高も女子校だったので縁があったとか、そういうわけではなくて……。でも甲子園を一回見に行ったことがあって、そのときに感じた青春の雰囲気とか、テレビの野球部マネージャー特集への憧れを持ってたのね。それで、一橋に入って野球部を見に行ったときに憧れていたイメージに近いものができるのかな、と思って入ってみたの。」
浮田「私はもともと絵を描くのが好きで、一番大きなステージの裏にある背景を作りたかったのがきっかけかな。ペンキを使ってあんな大きな絵が描けるのは絶対楽しいだろうし、“青春”っていう感じがしたの。」
--それぞれの活動の中で一番思い出に残っていることは何ですか?
橋野「最後に東都大学野球連盟のリーグの中で、4部から3部に上がれたことかな。1部とか2部はプロに行くような強い選手がいる私立の学校で、一橋は3部と4部を行き来してたんだけど、4年生の秋に2ヵ月半くらいのリーグ戦の末に昇格できたのはすごくいい思い出だった。」
--マネージャーとして具体的にどんなことをされていたのですか?
橋野「練習中は時間を測って笛を吹いたり、バッテンィングマシーンにボールを入れたり、ビデオを撮ったり、など選手の練習のサポートで、試合中はスコアブックをつけたり……。あと、2,3年生のころから練習のサポート以外にOB向けの広報とか、事務的な仕事も徐々に増えていったかな。」
浮田「私の一番の思い出は、2年生のときに“バシジョトーク”という企画を一から作ったことかな。これは初めて自分が担当になって相方と作った企画だったんだけど、すごく大変だったのね。そもそもバシジョトークという企画が決まっていたわけじゃなくて、女性をターゲットにすることが決まってて。ジェンダー的問題を配慮した上で企画を作ろうと思ったらすごく難しかったんだよね。
企画書を作っては落とされ、を何度も繰り返したのね。でも最終的に今の形におさまって、その反響が良かったからそのあとも続いていく企画になって、それがすごく思い出に残ってるな。大変だったけど新しく何かが作れたっていう達成感があった。」
--企画にはどれくらいの時間をかけたのですか?
浮田「企画を作り始めたのが2月で、5月に企画書を提出して、そこから出演者募集だったり、詳細決定とかが本番の11月まで続いたな。」
--一橋祭委員はすごく大きな団体で、野球部は割と少人数なイメージがあるのですが、それぞれの団体の大きさについてはどう感じましたか?
浮田「一橋祭は70人くらいいるからやっぱり大きい団体なんだけど、全体の交流の機会を作ってたから、全員の名前とか人柄とかも全部わかるくらいには近い距離感だっと思う。大きいからこその利点は、色んな人がいることかな。特に1年生は30人弱入ってくるんだけど、インドアな子から、キラキラした女子大生みたいな子もいて、幅が広かったと思う。でも、そういう人たちが全部まとめられて、全員と仲良くなっていくのを見ていくのも、上級生になるにつれて面白いなって思った。」
橋野「野球部は20人くらいで少人数なんだけど、その割に選手とマネージャーの距離感って微妙なのね(笑) 同期はもちろん話すけど、先輩とか後輩だとあんまり話したことがない人もいて……でも、それでも週5回の練習での様子を見てたり、選手同士のゆるーい会話を聞いてたりするとだいたいどんな人かっていうのはわかるかな。お互いの人柄とかがわかってるからこそくだらない会話を聞いてめちゃくちゃ面白かったり、なごんだりしたな。アットホームな感じが少人数ならではの魅力だと思う。」
--お2人の話を聞いていて、それぞれの活動にかなり時間をかけているという印象をうけましたが、他のものとの両立はどのようにされていましたか?
橋野「普段はほぼずっと部活をやっていて、授業はなんとか出て、ゼミはすごく忙しいわけじゃなかったから課題をやる時間はあって。でもバイトも週2,3日はやってたから、遊んだりする時間はあんまりなかったけど、なんとかこなせたかな。
一番忙しかったのはやっぱり就活のときだったけど、そのときは後輩が気を使ってくれて片づけとかをやっておいてくれたから、それに助けられて乗り切れた。私は譲れない趣味があったわけではなかったから、時間のやりくりは割と平気だったかな。」
浮田「私は本当に一橋祭委員中心の生活をしてたから、バイトはやってたけどそれくらいかな。お金がないとやっていけないからバイトはしてたけど、私も譲れない趣味があったわけじゃないから両立はそんな苦ではなかったかな。勉強は……そうだね(笑)」
橋野「大学での勉強ガチ勢からしたら“全然してないじゃん”って思われるだろうけど……。」
浮田「すごい真剣にやってたわけではないけど、テストも受けてたし、単位も落としてないし、両立はなんとかできてたと思う。」
--1つのことを続けるってすごく難しいことだと思うのですが、そこまで続けられた理由や、その活動に惹かれた点はありますか?
橋野「逆に色んなことをやってる人は器用だと思う。私は打ち込むって決めたものをとことん極めて、1つのことを始めたら長くやりたいタイプなので、野球部に入るって決めたら一生懸命やろう、って思ったの。
あとは、練習に出て選手のサポートをメインにやっていた下級生のときとは違って、学年が上がるにつれて運営の仕事が増えてきて……。部活以外の時間にやらなきゃいけない仕事がすごく増えたから、考えてる暇がなくてもう打ち込まざるをえないみたいな感じではあったかな。」
浮田「わかるわかる(笑) 私は単純に制度的に、始めちゃったら1年間は絶対にやらないといけないっていう中でやってたから、打ち込まざるを得なかったっていうのもあったんだけど……。もともとは結構飽き性で、高校でもがっつり何かやってたわけじゃなくて、本当は1年でやめて次に違うことやろうかなって思ってて。美術部とかも興味あったし、色々できた方が楽しいだろうなって思ってたんだけど……よくよく考えたら私の人生ってずっとそんな感じだったのね。色んなことをやってきたけど、結構全部中途半端だったな、と思って。
“3年間続けたその先に何が見えるのか”が知りたくて、やっぱり1,2年で辞めちゃうと3年までやった人にはかなわないじゃん?せっかく入ってここまで頑張ってきたのに、途中で辞めちゃったら私は不完全燃焼で終わっちゃうな、と思ったからやり続けたいって思った。あとは、学生だけじゃなくて地域住民の方とか、OBの方とか、色んな方に支えていただいている一橋祭ってすごいな、って思ったことも続けている理由かな。」
--そういう中で、“絶対にやめてやる!”って思ったときはありましたか?
橋野「そんなに“どうしても!”っていうほどではなかったけど、就活が始まって今までほど部活だけのことを考えていられなくなったときに、いくつか仕事でミスをして……。運営の仕事が増えすぎて負担に感じてるし、自分のミスでいろんな人に迷惑をかけてるし、もう本当にやだって思ったことはあって。
でも、ここまで続けてきて、しかもリーグ戦が4月頭からちょうど始まる時期なのに、いくら気持ち的に逃げたいって思ってても、“もう続けるしかない。あとは自分でどうミスを取り返して、部に貢献していくか”っていう方向に自然に思考がまとまっていったかな。」
浮田「“もう嫌だ、逃げたい”って思ったことはあって。さっき言ったバシジョトークの企画書を何回も落とされたときは否定されたような気持ちになって、“なんで私こんなに頑張んなきゃいけないの?”って、全然楽しくなくなっちゃったの。別にそんなに頑張ってたわけじゃないんだけど、そのときの私からしたらすごい頑張ってた気になってて。」
--企画書はどんな感じに落とされたんですか?
浮田「企画書の審議でみんなが色々意見を出すんだけど、それが全部ダメ出しだったの。だから落とされたというよりは、“やり直すしかないよね”っていう空気になって。そのときは“もうこんなことしたくない”って思ったけど、でも審議をしてくる人たちにむかついてもいて(笑) “そんなに言うなら代わりにやってくれ!”みたいに(笑) 私の仕事だから、他の人ができるわけじゃなくて仕方ないんだけど。だから、そこから見返してやるというか、“ちゃんと成功させたい”っていう気持ちになって、それからも頑張った。」
↑「もう一度大学生活を送るなら何がしたい?」という質問に答えていただきました。
--お2人とも“表舞台で活躍する”というよりは縁の下の力持ちのような役割の活動をされていたと思うのですが、その役割ならではの魅力はありますか?
橋野「主役である選手が練習をずっと頑張って、試合で活躍しているのを近くで見てると、“この人たちのために頑張りたい”って思って支えていられることが自分としてはすごく嬉しいな。
あと、選手は野球のプレーをして部活に貢献してるけど、マネージャーはOBとかの、野球部を支えてくれる色んな人との関わりの面で貢献してるのね。その中でOBだけじゃなくて部員の保護者にも広報活動をしてて、その関わりの中で成長できたっていうのはいい経験だったかな。」
浮田「自分のことを“縁の下の力持ち”だと思ってやってたわけじゃなかったけど、お客さんが楽しんでる姿を見たり、Twitterでエゴサして“一橋祭また来たい”とかを見てると、一橋祭をやっててよかったなって思った。
自分たちが3日間だけでもみんなが楽しめる空間を作れたっていうのは、誇りとまではいかないけど、それがやりがいにつながってたのかなって思う。」
--それぞれの団体での活動と、将来の進路にはつながりはありましたか?
浮田「私はがっつりつながってるな。もともと絵を描いたり何かを作ることは好きだったんだけど、企画にはそんな興味があったわけではないのね。でも1年生のときにたまたまそういう企画のセクションに入って、気づいたら2年目もやってて、3年目はその企画のサブチーフをやってて……ずっとそういう風に企画に携わっていたことがすごく楽しかったの。
企画って長くても60分くらいで、そのために私は半年以上の時間をかけて作ってるんだけど、その60分を通して楽しんでくれる人とか、“これで何か一歩踏み出せる気がする”って思える人がいることに私は感動したから、そういうのができる仕事をしたいなって思ってた。だから広告系を中心に受けて、結果的に新聞社の広告局に行く予定。」
橋野「私はそれこそ“縁の下の力持ち”の思考と通じるところがあるかな。生命保険業界に入るんだけど、保険ってなかったらすごく困るし、社会のインフラ的役割だけど、しょっちゅう役に立つわけじゃないでしょ?だからその部分はマネージャーの仕事と似ているかなって思った。あと、マネージャーの仕事を通してOBとか保護者の方とか、大人の方と接することが多かったから、敬語を使ってコミュニケーションをとることにまったく抵抗がなかったのね。だから面接も緊張するんだけど、慣れているという面では助かったかな。」
--もう卒業式が終わり、いよいよ学生生活の最後になりましたが、橋女、または一橋の良さは何だと思いますか?
浮田「一橋でよかったなって思うのは、根が真面目で努力家が多いから、話してて落ち着くってことかな。あと橋女はなんやかんやで自分を持っている点がすごく魅力的だと思う。将来のことをちゃんと考えていて、自分のやりたいことをちゃんと考えて、追求して就活をしている子が多かったし。そういう友達がいることですごく刺激も受けたな。」
橋野「私も結構似てるんだけど、一橋生ってすごい真面目だから話とか価値観が合うなって思う。部活の中でマネージャーが部に対する疑問を呈して、そこから部内全体の話し合いにつながったことがあって、“マネージャーとしてチームがどうあるべきなのか”とか、“自分はどういうマネージャーになりたいか”っていうのを考え抜いた上でのことだったと思うのね。そういうのを真意を持って考えている人から刺激を受けて、自分自身の成長にもつながったかな。」
--“学生の間にこれやっといた方がよかったな”っていうものはありますか?
橋野「英語かな……(笑) 卒業旅行で何度か海外に行ってきたんだけど、受験英語しかできないから英語は読めても話せなくて。レジで注文するのも、道を聞くのもすごく大変で、“もうこんな簡単なこともしゃべれないし、聞き取れないのか”って思ったら、英語の勉強はしといた方がよかったなって思った。」
浮田「旅行に行くことかな。最近卒業旅行で色んなところに行って、新しい土地に行くことのわくわく感を実感した。家でだらだら過ごすのもいいんだけど、せっかくだから色んなところに出かけたらいいんじゃないかなって思う。
あと、やれることは全部やっといた方がいいよ!大学生って時間があって、というか時間しかない、っていう感じだから、それを上手く自分なりに活用することが大事かな。私は一橋祭終わったあとすごく暇だったのに、あんまり何もしなかったからもったいないことしたなって思う。」
橋野「でも最後は卒論きつかったよね……。4年の11月に部活を引退してから1月までやってて。」
浮田「時間があると言いつつ、みんなそんな早い時期からはできないよね(笑)」
橋野「ゼミでは“4年生の1年間をまるまる卒論にかける”って言ってるけど、実際みんな書くのは12月とかだよね(笑)」
浮田「本当は10月くらいからちょこちょこ書き始めるのがベスト。きつい(笑)」
※今回の4年生インタビューは12月中旬から計4回やってきたのですが、皆さん卒論のきつさを口にされていました(笑) お忙しい中ご協力くださり本当にありがとうございました!また、新4年生のみなさんは卒論頑張ってください!!
--最後に一言お願いします!
浮田「3年生が新勧頑張ってくれてると思います(笑) イベントとかあるからぜひのぞいて見てね。」
橋野「マネージャーって“洗濯ばっかりでしょ?”って思われてるかもしれないんだけど、意外と外から見た部全体のイメージを握ってるのね。他校とか、OBとかとの交流も多いし。だからいかに野球部を見ている色んな関係者の立場に立てるか考えることで、マネージャーとして成長できることは多かったかな。
マネージャーは自分が主役として活動するわけじゃないけど、思った以上に色んな経験が積めると思うから、興味があればやってみると、いい大学生活になるんじゃないかな。」
--お2人とも貴重な春休み終了間近の時間を割いてくださり、本当にありがとうございました!
浮田・橋野「ありがとうございました!」
↑最後にお2人に「大学生活を一言で表すと?」という質問に対する答えを書いてもらいました。下のコメントとともにどうぞ!
橋野「“マネージャーが支える”っていうイメージは強いと思うんだけど、4年間を通していかに自分が回りに支えられてるかっていうのにたくさん気づかされて、より感謝できるようになったかな。」
浮田「一橋祭委員を3年間続けてきて考える機会がすごく多くて、企画にダメ出しされたり、価値観が合わない人と接するときに、その人の真意をちゃんと知ろうとした3年間だったかな。」
いかがでしたか?
今回で短期連載、「私のバシライフ ~卒業を前に今思うこと~」が終了となります。3月31日に滑り込みで記事公開ができてよかったです(笑)
この4回の連載を通して、これから学生生活をどうしようか、と悩んでいる方の助けに少しでもなれていたら嬉しいです!クソコラばっかり書いていた私がこんなに真面目な記事を連続で書くとは思っていませんでした(笑)
4月からはまたしょうもない記事も書いていこうと思うので、お楽しみに!
この連載を通じて合計4組、8名の方にご協力いただきましたが、皆さんとても親しみやすくて、でも考え方はしっかりされていて、さすがだな、と思わされることの連続でした。卒論執筆中、春休み真っ最中の取材や記事チェックなど、たくさんの無理なお願いを聞いてくださり、本当にありがとうございました!
4月からの新生活、頑張ってください!!
以上、蛮勇亭にゅーとんでした。
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