導入して本当に大丈夫?105分授業と4学期制の是非

メリットは?デメリットは?そして東大では何が起こった?


こんにちは。編集長のたかたです。

 

みなさん、先日の齋藤誠教授のハンガーストライキを覚えているでしょうか?

ある日突然校内で行われた教授のハンガーストライキ。なかなかのインパクトだったと思います。

ヒトツマミではそんな齋藤教授に突撃インタビューを行いました。

教授がハンスト!?105分授業に反対する齊藤誠教授にインタビュー

 

そう、齋藤教授が反対していたのは「105分授業」の導入について。

 

こちらの記事では105分授業の弊害についてしか触れませんでしたが、大学がわざわざ導入するということはそれなりのメリットがあるはず。今回の記事ではそのメリットについても考えて行こうと思います。

 

さらに並行して導入される可能性が高いのが4学期制。これについても触れていきます。

 

 

105分授業


まずは齋藤教授へのインタビューで触れたデメリットについてまとめます。

 

今の密度の濃い授業を105分続けることは教員側も学生側も厳しい。過去100分授業を行っていた時代もあったが、その頃は先生が遅れてくるのは当たり前、内容も緩かった。

 

・そんな状態で導入すると途中で休憩を挟む教員が出てくる。そうなると本末転倒。

 

・始業時間や終業時間が前後することでプライベートの時間が失われる

 

以上の3点が主なデメリットでした。

 

 

 

一方でメリットについてはどうでしょうか。

 

・現在は1授業が15回だが、105分授業になると13回になる。つまり、授業期間が2週間短くなる。

 

・回数が少なくなることにより4学期制の導入が可能になる

 

学生にとって嬉しいのは前者ですが、大学側の狙いは後者にあります。

ということで次に4学期制について考えていきます。

 

 

4学期制


「なんかめんどくさそう」「テスト増えるのヤダ」と曖昧なイメージを持っているであろう4学期制。

具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

 

主要なメリット留学や海外のサマースクールに行きやすくなると同時に海外からの留学生も来やすくなるということです。

4学期制になることで海外の大学のスケジュールに合わせやすくなるのです。

これは以前大きな話題になった秋入学と同じ目的なのですが、秋入学は導入にかかるコストが大きいためその代わりとして4学期制が導入された、というわけです。

 

 

ではデメリットはどうでしょうか。

主に以下の2点が挙げられます。

 

・学期末テストが4回になる

・他大学と休業期間が異なるためインターンシップや部活動など課外活動に支障が出る

 

前者は学生だけでなく教職員への負担になります。後者についてはかなり深刻な問題になりかねませんね。

 

 

 

東大ではどうなの?

 

 


ここからは東大で「新学事暦に反対する学生有志の会」のメンバーとして活動していた塩野谷さんに105分授業、4学期制の両方についてお話を伺います。

新学事暦に反対する学生有志の会の方々は東大の4学期制導入に反対し、ビラ配りや署名を行っていました。(現在は活動終了)

塩野谷さんにはこの記事を書く上でお話を伺い、先の文章を書く上でも参考にさせていただきました。

▲「新学事暦に反対する学生有志の会」のビラ

 

ーーー105分授業が実際に導入されてどうですか?

 

「周りの人は105分間授業を聞き続けるのはしんどく、効率が悪いと言っています。教授の中には毎回90分で授業を打ち切る方もいらっしゃるようです。

そしてやはり一限が 8:30 開始、五限が 18:35 終了となるため遠方から通う学生の負担が増えると同時にアルバイトやサークル、趣味に費やす時間が減ったと感じています。

特にアルバイトの時間については学費や生活費のために働いている学生にとっては深刻な問題であり、所得による教育格差の拡大に拍車をかける可能性があります。」

 

 

ーーー4学期制についてはどうですか?

 

「東大では1~3月が休みになるパターンと6~8月が休みになるパターンがあり、前者を取り入れている学部については留学やサマースクールに行きやすいというメリットが享受できず実質デメリットのみを被っています。

また導入後に顕在化した大きなデメリットは非常勤講師についての問題です。詳しくはこちら(他サイトに飛びます)を見ていただければわかると思いますが、多くが東大特有の問題であるとはいえ説明する機会や準備期間も十分に設けず改革をしても教育の質を落とすだけだという教訓が得られると思います。」

 

 

▲東大の4学期制


最後の言葉にもありますが、大学側と学生、教職員の間で十分な話し合いが行われないままの導入は確実に何らかの弊害を生むことになるでしょう。

実際東大の場合も、塩野谷さんたちの活動に対して大学側はほとんど取り合わず、半ば強引に制度を導入したようです。(有志の会活動報告参照)

 

一橋大学ではまだ大学から公式の発表はされていませんが内部で話が進んでいるのは事実のよう。(一橋新聞参照)

いずれ発表はされると思いますがその時には「これで決定です」という強引な形ではなく教員、学生、職員の3者が十分に話し合う機会を設けそれぞれが納得のいく制度を導入するべきではないでしょうか。

 

 

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