井の頭公園から成蹊大学まで。最高に住みやすい路上はどこだ?
こんにちは。
ライターの
毎年幾つかのメディアによって発表され、巷でそれなりに話題になる「住みたい街ランキング」。毎年チェックされている方にはお馴染みかと思いますが、あの手のランキングでだいたい毎回1位にランクインする「ある街」がありますよね。そう、吉祥寺です。
吉祥寺といえば、言わずと知れた中央線沿線ナンバーワンのシャレオツサブカルタウン。小洒落た雑貨屋やカフェがこれでもか!という勢いで立ち並び、さらには都会のオアシス・井の頭公園を擁するため、東京随一のデートスポットとしてもお馴染みかと思います。
…………しかし!!!!
「吉祥寺=住みたい街」という評価は、吉祥寺以外の街に居を構える「非吉祥寺住民」によるもの。非吉祥寺住民にとっては完璧な街に思える吉祥寺ですが、実際に住んでみると色んな面で住みにくさを感じることだって多いはずです。
そこで、今回の記事では吉祥寺の「住みやすさ」を徹底調査。吉祥寺が本当に住みたい街ナンバーワンの座に相応しいのか、検証していきたいと思います。
とは言ったものの、実際に吉祥寺に住んでみるのは様々な面で非現実的。じゃあどうやって住みやすさを検証するの?と思った方、安心してください。今回僕が焦点を当てるのは、吉祥寺の路上です。
路上とは、その名の通り道路の上。一部の特殊な事例を除いて人が住むようには作られていませんし、住環境は言わずもがな最悪です。じゃあどうして路上を調査するのか?以下の図をご覧ください。
そりゃそうだ。
ほうほう。
ん?
その手があったか!!!!!
なんということでしょう。吉祥寺でギリ住める最高の路上を見つけだすことが出来れば、吉祥寺の一般的住宅における住環境が最高であるというのが極めて論理的に証明されてしまうのです。
ということで、以下、吉祥寺の路上で一番住みやすい場所を探していきます。もしかしたらこのロジックが理解できない読者の方もいらっしゃるかもしれませんが、僕は理解できるので先に進みます。
①井の頭公園
まず最初は、吉祥寺のランドマークである井の頭公園にやって来ました。大量のカップルや家族連れが日々訪れ、お世辞にも落ち着きがあるとは言えないこの公園ですが、果たして安住できる場所は見つかるのか……!?
いきなり見つけたのが、公園の入口間近にあるこの円形ベンチ。寝るには体勢がキツそうだけど、駅チカだし、売店も近くにあるし、意外と住環境は悪くないのでは?とりあえず寝て、住みやすさを調査してみます。
つ、辛い…………。
おじいちゃんとか子どもにめっちゃ見られるし、出入り口付近だから人通りも多いし、雨風防げないし、何より寝る体勢が辛い。ここで生活するのはさすがに無理だ!ということで井の頭公園をさらに探索して見つけたのが、先ほども登場したこちらの石台です。
結論、さっきよりは住みやすそう。多少奥に入った場所にあって人通りもそこまで多くないし、その気になれば3秒で池にダイブ出来る好立地は大きな魅力。あと、フルフラットで寝やすいです。
デメリットとして真っ先に挙がるのは、やっぱり雨風が防げないこと。ますます寒くなるこれからの季節、屋根がない場所に住むのはなかなかキツそうですよね。ただ、奥の方にある丸太を組み合わせたっぽい柵で焚き火をすれば暖は取れそうなので、自然と触れ合いたい方にはそれなりに良い環境なのではないでしょうか。
~まとめ~
②キラリナ京王吉祥寺
続いて訪れたのは、昨年4月にオープンした駅直結の商業施設「キラリナ京王吉祥寺」。「いろんな私に出会える、私のお気に入り」がコンセプトのショッピングセンターで、ファッションや生活雑貨などを取り扱う98店舗が軒を連ねています。
「いや、駅ビルに住めるわけないし、そもそも路上じゃなくね?」と思った方もいらっしゃるかと思いますが、ご安心を。実はこのキラリナ、限りなく路上に近い、めっちゃ住みやすそうなある場所を有しているのです。
それがこの、キラリナテラス!ビル最上階の9階に位置し、素敵なベンチと今にも寝転がりたくなるような芝生、そしてボードウォーク的な小道があるナイススポットです。もう、これは実質的な路上と考えて差し支えないと思います。
そんなキラリナテラスで、最高の住環境を備えていたのがこちらの場所。
どうですか?広大なテラスの中で、ポッカリと空いたこのスペース。まるで人が住むために作られたかのような空間ですし、空間から「ここに住みなよ!」と語りかけてくる声が確かに聞こえました。というわけで、ブルーシートを敷いて寝てみます。
……めっちゃ快適。小道は合成樹脂っぽい素材で出来ているので床暖房的な暖かさがあるし、人もそこまで多くないのでジロジロ見られる心配もありません。それどころか、確実に視線には入っているのに見て見ぬ振りをしてくれる、吉祥寺マダムの優しさをひしひしと感じます。
屋根があるうえに三方を壁に囲まれているから、雨風の心配は無し。徒歩3秒の位置に水道と非常口があるので、もしもの時も安心です。これは間違いなく最高の路上だし、何なら転居届を出して今すぐここに住みたい!……そう思いテラスを後にしようとした矢先、大変な事実が明らかになってしまいました。
そう、開放時間の制限です。キラリナは言うまでもなく一般的なショッピングセンター。当然24時間営業ではなく、閉館時間が存在します。
ただ、路上生活者にとってこれは死活問題。20時にテラスを追い出されるということは19時半には起床して荷物をまとめる必要がありますし、8時間睡眠を取ろうとすれば就寝時間は午前11時半になって生活リズムはもうグチャグチャ。時差12時間の南米時間で暮らすのはさすがにキツいので、泣く泣く諦めて別の路上を探すことにします。
~まとめ~
③吉祥寺サンロード商店街
吉祥寺駅の北口を抜け、次に向かったのは吉祥寺サンロード商店街。吉祥寺のメインストリートとも呼ぶべきアーケード商店街で、常に多くの人が行き交い活気に溢れています。
そんなサンロードで見つけた一番住みやすそうな場所は、こちらです。
見つけたのは、西友吉祥寺店の手前にあるこの謎のブランクスペース。駐輪禁止らしいですが生活禁止とは書かれていませんし、人が住んでいる場所に堂々と駐輪する輩はさすがにいないと思うので、ここに住むことが迷惑駐輪撲滅にも繋がる、そんな一石二鳥な場所かと思います。
ということで、早速このブランクスペースの住みやすさを調べてみました。
うん、一言で言うと凄く微妙。井の頭公園よりは確実に快適なんだけど、キラリナに比べたら全面的に劣るし、積極的に住みたいとは全く思えない、そんな感じです。本当に微妙だったので記事になるような面白い出来事は特にありませんでした。が、半年以上会っていなかったクラ友と撮影中に偶然遭遇し、「…何してるの?」と聞かれるも答えられずに数秒口ごもるというリアル恥ずかしいイベントがあったことは追記しておきます。
「くるしい。」
~まとめ~
④成蹊大学
最後に訪れたのは、吉祥寺駅から徒歩約15分の位置にある成蹊大学です。安倍首相の出身校としてお馴染みですし、近未来的な図書館も有名ですよね。緑溢れる広大なキャンパスはとにかく綺麗で、「私大」を感じさせます。
そんな成蹊大学にお邪魔したところ、いきなりこんな場所を発見しました。
「こ、これは…………」
「ベッドがたくさんある…………。」
……この1日で数々の辱めを受けた結果、幻覚でベンチがベッドに見えるようになりました。ヒトツマミは人を狂わせる、そう実感した瞬間です。
気を取り直してキャンパス内を散策していきます。しばらく歩くと、こんな場所を発見しました。
学生会館1階の第1学生食堂です。成蹊大生の胃袋を日々満たすこちらの食堂の前で、僕が目をつけたのはここ。
一見すると何のために存在しているのかわからないこちらの出っ張りですが、下の方を収納として使える床が高いタイプのベッド(こういうやつ)だと考えると納得がいきます。半地下に位置しているので雨風は防げそうですし、学食から徒歩10秒という立地で衣食住の「食」もバッチリカバー。最後にして最高の住環境、見つけてしまったか……?
ということで、さっそく寝てみます。
……はい。お気付きの方も多いかと思いますが、寝ると体が3分の1くらいはみ出すんですよね。写真だと伝わりづらいかもしれませんが、この時の僕、めっちゃ踏ん張ってます。
あと、半地下だと思ってたらこの上だけ屋根が無くて、普通に雨に降られることが判明。安倍首相の安全保障政策のおかげか治安は最高に良さそうでしたが、さすがにここには住めないので、学食で油淋鶏定食を食べて帰りました。おいしかったので、一橋の学食にも導入してほしいです。
~まとめ~
ということで、以上の4箇所を調査した結果、4箇所が15ポイントで同点という結果になりました。どの場所も良い所もあれば悪い所もあるという感じで、まさに一長一短。ただ、永住したいかと聞かれればノーと言わざるをえないというのが正直なところです。「吉祥寺が本当に住みたい街ナンバーワンの座に相応しいのか調査する」という熱い思いで始まった今回の企画でしたが、結果として微妙な感じに終わってしまいました。
……ただ、今気付いたんですけど、今回調査した4箇所の欠点って、家に住むだけで全部カバー出来るんですよね。雨風は防げるし、閉館時間も無いし、プライバシーも守られているからクラ友に遭遇する心配も無い。家って凄いし、家っていう概念を生み出した昔の人も凄いなって思いました。
~結論~
おわり。
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