10代最後の夏、だからこそ
終わりますね、夏。
ひと夏の心霊体験どころか自分が心霊現象になりました、いなばです。
日に日に涼しさが増し秋の足音が聞こえる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
繰り返しになりますが終わりますね、夏。
僕もついに10代最後の夏を終えてしまいましたが、毎年毎年この時期は夏が終わるという現実にうなされる毎日を送っています。
だけど8月31日だけは毎年違ったんですよね。そんなセンチメンタルな気持ちになってる場合じゃなかった。もっと差し迫った重要な問題があったから。
それはいつも僕らの目の前に立ちはだかった。
それから目を背けることで僕らは仮初の青春を謳歌した。
けれど、それに立ち向かい打ち勝たねば、僕らの『未来』は失われてしまう。
8月31日、それは夏休みの宿題との闘いの日。
そんな感じじゃなかったですかね。僕はそうでした。
っていうことを考えててふと思いついたんですけど、大学生になった今になって自由研究とかやってみたら案外楽しいんじゃないかなって。
完全に喉元過ぎればってやつなんですけど。
あのころから身も心も大きく成長し、長く険しい受験勉強を乗り越え、今や文系の最高峰で「スマート、強靭、グローバル」を掲げる一橋大学の学生として日夜勉学に励んでいる僕なら、それに恥じない素晴らしい、アカデミックでインプリケーションに富んだイノベイティブな自由研究ができるのではないか。
そんな想いから自由研究を19の夏にしてみました。それがこちらです!!!
<動機>
先日ライオンから発売されている歯磨き粉「クリニカ エナメルパール レモンジンジャー」(画像下)を使用してみたところ、何よりその味に感激した。大変美味である。なんとかしてこの歯磨き粉を食材として利用し、この味をもっと純粋に、満足いくまで堪能することはできないか。そのように考えたことが今回の研究の動機である。
<実験に入る前に>
まず、比較的簡単な方法で歯磨き粉を食べられないかを検討することにした。
①そのまま
歯磨き粉をそのまま食べて、おいしくいただけるのであればそれが最も手っ取り早い。スプーンに一口分をとってみた。こうしてみると何かのペーストもしくはメレンゲのようであり、「これはイケるのではないか」という期待が膨らんだ。
はたしてこれで食べ物として成立するのか。実際に食べてみる。
歯磨き粉だ。
それ以上の感想は出なかった。
考えてみれば至極当然だが、歯磨き粉を食べれば歯磨き粉を食べた感じがするのである。より正確に伝えれば、歯磨きしてる最中に歯磨き粉をちょっと飲んでしまって『オエッ』っとなるアレだ。
これでは歯磨きをしているのと何も変わらず、味をより楽しむという本実験の目的にそぐわない。したがってそのまま食べるのは不可である。
②リッツと一緒に食べる
それでは何か別のものと一緒に食べてみてはどうだろうか。私が歯磨き粉の相方に選んだのはヤマザキナビスコ「RITZ」である。さまざまな食材をのせて食べることが想定されて作られているリッツであれば歯磨き粉に対応することも可能なのではないか。
気分としてはリッツパーティだ。はたして今回はどうなのか。
悪くない。
歯磨き粉の酸味とリッツの香ばしさは相性が良かったようだ。それでもやはり飲み込み際に『オエッ』となるのは避けられなかった。まだ食べ物と言い切るには抵抗のある完成度であり、リッツパーティに出せる代物ではなさそうだ。どうやらこの『オエッ』を解消することが本実験における大きな課題になりそうである。
<実験>
以上のことを踏まえると、さらに歯磨き粉に加工を施す必要があると考えられる。そこで私はアイスクリームに歯磨き粉を混ぜ込む方法を試すことにした。
材料
・牛乳150ml
・生クリーム 70ml
・砂糖 30g
・卵黄 1
・塩 100g
・氷
・アルミ缶(ふた付き)
・ペットボトル(大)
・タオル
・ガムテープ
・カッター
・歯磨き粉25ml
作り方
1、卵黄、砂糖をアルミ缶に入れてふる。
2,1に牛乳と歯磨き粉を加えまたふる。
先に牛乳に歯磨き粉を溶かしてからいれるとうまくいきやすい。
今更ながら「食べ物を粗末にするな」という批判が予想される実験ではあるが、私にとっては歯磨き粉も食材であり、またおいしい食べ物を作ろうと最大限の努力をしているため許されたい。
3、2に生クリームをくわえさらにふる。
4、ペットボトルの上部を切断し、氷と塩、3をいれる。
4、切断したペットボトルの上部をふたたびガムテープで固定し、さらにタオルを巻きつける。
5、4を15分間ふって、転がし、叩き続ける。
ここで突然バトルフェイズ(しかも長丁場)に入る。
モチベーションを15分保つために、ペットボトルに私の心霊写真の作者、憎きクソコラ職人MC菩薩の画像を張ってみた。
これなら無限にバトルフェイズできると確信し、格闘すること15分。
6、アルミ缶を取り出す
アルミ缶をふってみて、音がしない(中身が液体でない)なら完成。
歯磨き粉アイスクリームが完成した。
そしてついに実食。
おいしい!!!!!!!!!
大変なものができてしまった。歯磨き粉界、アイスクリーム界双方に革命が起きることを私は確信した。
歯磨き粉のミント味は完全にミントアイスのそれへと昇華され、肝心のレモンジンジャー味もしっかりと存在感を放っている。そして何より重要なのは『オエッ』問題だがそれも解決された。ベースのバニラアイスの甘い後味が見事に『オエッ』を打ち消してくれている。
アイスクリームとして成立しつつも歯磨き粉という食材の魅力を十二分に発揮させる、素晴らしいメニューである。
しかし、これで実験は終わりではない。
そもそもの疑問として、歯磨き粉を食べて大丈夫なのか。人の口にいれるものである以上、誤って飲み込んでもいいよう作られているはずだ。しかし、食材として意図的に摂取するほどの量でも同じことが言えるのだろうか。
これを確認しないことにはいかに歯磨き粉アイスクリームがおいしくても優秀な食べ物とは言えない。安全性を確認する基準として「24時間以内に私がおなかの調子を崩さないか」というものを設けた。はたして私のおなかは無事なのだろうか。
無事でした!!!!!!!!
安全性が確認されたことにより、これをもって私の実験を終わります。見事成功を収めることができました。
以上、僕の19の夏の自由研究でした。小学生当時の自分にこれを見せたらどんな顔をするのでしょうか。ふがいない気持ちでいっぱいです。
もし、万が一、本日8月31日に明日提出の自由研究が終わっていない人、またはその保護者の方がこの記事を読んでらっしゃったら、僕のこの自由研究をそのまま使っていただいて構いません。ただしその場合生じるあらゆる結果に僕は責任をもちませんので。
実験後ふと不安になって本当に歯磨き粉を食べてよかったのか、Yahoo!知恵袋をのぞいてみました。
カテゴリマスターの解答がこちら。
心配された。
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