ハーバードに通う日本人やジェノサイド生存者も登場します
こんにちは、蛮勇亭にゅーとんです。
今回は夏休み中に更新した「突撃インタビュー in 香港!!」の続編をお送りします。
このインタビューは香港で行われたHPAIRという学生会議にて各国の学生から真面目なことや、ふざけた恋愛話などを聞いたものです。前回はベルギーやブルキナファソなど計7カ国の学生へのインタビューをお届けしました。
「夏休み中はリア充生活を送りすぎてヒトツマミなんて読んでなかった!」というあなた、ぜひ前編からお読みください!!
今回はカナダ、フィリピン、ロシア、フィジー諸島、中国、そして日本の学生の声、さらにはゲストとして今回の会議に参加されていた、アメリカでLGBTや自身のジェノサイドを生き抜いた経験をもとにMotivational Speakerとして活躍しているDaniel Trust氏へのインタビューもお届けします。
*当たり前ですが、どの人の意見も個人的意見であり、国を代表している意見ではないことを理解した上でお読みください!また、英語でインタビューしたものを日本語に訳しているので、多少の日本語の不自然さはあるかもしれませんがご了承ください。
彼女は自身を「第3の市民」であり、文化とアイデンティティーが混じった存在だと考えています。なぜなら、カナダで生まれフィリピンにて中国人である親に育てられ、韓国にも1年間留学したからです。 ネイティブレベルで話すことのできる言語は英語、中国語、タガログ語(フィリピンの公用語)で、韓国語も日常生活は問題がないそうです。計4ヶ国語。ただ一言、すごい。
質問その1:自国において一番の問題は何だと思う?
中国に関しては発言の自由が少ないこと。孔子の教えや伝統的な考え方が根強すぎるために、若い世代の未来が妨げられている。
フィリピンに関しては教育が問題。フィリピンにおいて教育は誰もが享受できる権利でなく、むしろ特権である。十分な教育を受けることができず、未来を閉ざされてしまう子供を減らすために政府は教育にもっと資金を投入すべき。
カナダに関しては、高い教育水準と文化レベルを持った先進国であると思う。しかしさらなる発展のためにはソフト・パワーも使用されるべきである。
質問その2:自国の女性の魅力は何?
私は「第3の市民」であるため、男性の好みは独特だと思う。カナダで生まれた中国人で、フィリピンのユーモアがある人が一番だと思う。さらには、中国のマナーや勤勉さ、そしてフィリピンの家族を大切にする価値観があるとよい。
あまりに条件が厳しかったため、「そんな人に出会ったことあるの?」と聞いたら「いたら今探してないでしょ!!」と怒られました(笑)
彼女、めちゃくちゃ美人さんなので上記の条件をクリアされた方はぜひヒトツマミ編集部までご一報ください。ご紹介します。(もちろん嘘)
質問その1:自国において一番の問題は何だと思う?
ドラッグの広がり。でもドラッグが広がっていることよりも、警察の対処が問題だと思う。逮捕するのではなく、捕まえようとする過程で殺してしまうことが多い。裁判なしに死刑に処しているようなものだ。
質問その2:自国の女性の魅力は何?
意志が強いこと。特に、自らの意見を変える前にきちんと事実関係を調べることのできる女性は素晴らしいと思う。
質問その1:自国において一番の問題は何だと思う?
政府が過去に人権をないがしろにするという過ちを犯したこと。1965年に始まったマルコス政権は、1972年に戒厳令を発布して以来、独裁体制を築いた。これは1983年にアキノ元上院議員が暗殺されて政情不安が起こり、マルコスが国を去るまで続いた。この間に人権を侵害され、言われのない罪を着せられた人もいた。現在政府はそれらの被害を受けた人に賠償金を支払っているが、それに伴い本当の被害者と、賠償金欲しさに被害者になりすます人との識別や、若い世代に過去の教訓を伝えていく活動もしている。このような活動をせずに済むような社会になってほしい。
質問その2:自国の女性の魅力は何?
フィリピンの男性の多くは思いやりがあって丁寧。電車やバスには優先席もあるけれど、基本的に女性が来たら席を譲ってくれる。
毎朝1時間10分電車に揺られて登校している私としては、女性であるというだけで席を譲ってもらえたら天国ですけどね。フィリピン行こうかな……。 (実際はあまり座らない派なので日本で大丈夫です笑)
彼女はカナダ人といえども、人生の大部分を香港で過ごしたそうなので、香港について教えてもらいました。
質問その1:自国において一番の問題は何だと思う?
中国からの影響力が強すぎること。報道の自由や民主主義の精神が脅かされている。香港は現在中国を念頭においた市場を築いているが、これでは本当に中国の影響が大きくなりすぎて危険だと思う。
質問その2:自国の男性の魅力は何?
正直香港の男性はあまり魅力的だとは感じない。シンガポールにも住んだことがあるが、そこの男性の方が魅力的だと思う。彼らは兵役(National Service)を経ているため責任感が強いし、国内に中国系、マレー系、インド系など様々な人種がいるためより国際的な視野を持っていて素敵だと思う。
HPAIRは香港での開催だったため香港の学生が多く参加していましたが、政治意識はどの国よりも強いと感じました。一人一人が”自分が声をあげないとこの国の将来はない”といった危機感を持っているようでした。
彼は参加者ではなく、登壇者の1人でした。ルワンダのジェノサイドを生き抜いた経験、そして自らがLGBT(ゲイ)であるということを生かしてMotivational Speakerとしてアメリカを拠点に活動しています。
偶然香港で泊まっていたホテルでHPAIRが始まる前に出会ったため仲良くなり、インタビューをさせていただくことができました。なんと彼、朝ごはんに着てきたTシャツに日本語が書いてありました(笑)
ちょっと見にくいですが、Tシャツに”チャリンコ”と書いてありました。意味は知らなかったそうなので、きちんとお伝えしておきました(笑)
(Daniel Trust氏について詳しくはこちら→http://www.danieltrust.com/)
質問その1:自国において一番の問題は何だと思う?
現在はアメリカ在住ということで、アメリカの問題について語っていただきました。
人種間の争い、また人種を巡る緊張が高まっていること。大統領選でトランプ氏が移民やイスラム教とへの嫌悪を表しているように現在アメリカは嫌悪にあふれていて、人種間の理解が進んでいないことが大きな問題だと思う。特に一部には、その人がどんな教育を受け、現在どんな仕事をしているかではなく、肌の色にのみ注目して人を判断する人々もいる。一度あるパーティーで高齢の白人男性に出会ったところ、いきなり「黒人はこういうところが悪い」とまくしたてられ、結局私の職業を聞きすらしなかった。私はアメリカでは大きな事業をやっていて地位もあるが、そんな私でさえいまだに日々多くの差別を受けてしまう現状を問題だと思っている。
さすがにゲストスピーカーとしてきている方にふざけた恋愛の質問はできなかったので、ゲイである彼の立場からヒトツマミ読者へのメッセージをいただきました。
保守的な社会に属していると、自分がLGBTであるとカミングアウトすることは、とても勇気の必要なことです。私は熱心なキリスト教徒の家に生まれ、実際に家族にカミングアウトした際には姉から勘当を受けました。しかし、LGBTであるということを自分の中に閉まっておくべきではないです。自分らしくふるまい、親しい友人に話してみたりして新たな風を巻き起こしましょう。また、LGBTに関わる問題は、周りの人全てが役割を担っています。周りにいる人も傍観せず、思いやりを持って接するよう心がけるべきです。
↓かなりの身長差のある私に対して目線を合わせて話してくださるなど、細かいところにも気配りをしてくださる、本当に素敵な方でした!
質問その1:自国において一番の問題は何だと思う?
ロシアの発展の地域差が大きいこと。モスクワ周辺ばかりが開発されてしまっている。
質問その2:自国の女性の魅力は何?
高い野心を持っていること。
実は彼女は一番最初にインタビューをした相手だったのですが、2つ目の質問を真面目なトーンで聞きすぎて、本当に真剣に悩ませてしまいました……申し訳ない。
質問その1:自国において一番の問題は何だと思う?
人種問題。現在フィジーでは自らのアイデンティティーを守ることがRacist、人種差別的である、と考える人が増えている。でもあらゆる人種の人が増えていく中で自らのアイデンティティーを守ることは大切なことであり、決して他の人種を差別しているわけではないと思う。
質問その2:自国の女性の魅力は何?
太っていること。そっちの方が健康的だから。
はーい、夏休み中に怠惰な生活を送りすぎてついてほしくないところにお肉がついちゃったという橋女のみなさーん!
冬休みはフィジーに行ってモテまくりましょう()
質問その1:自国において一番の問題は何だと思う?
アジアの人口が増加傾向にあり、持続可能な状況でないこと。特に中国では大気汚染がひどい。しかし北京の大学に通って3年目だが、工場を地方に移転したことなどのおかげで少しずつ状況は改善されている。
質問その2:自国の男性の魅力は何?
家庭と仕事の両立ができること。中国では近年女性の社会進出が進み、男性も家事や育児などを担うことが求められるようになってきている。他のアジアの国に比べたら中国人男性はより家庭の中でも役割を担っていると思う。
トリを飾るのは日本人です!彼、なんと関西の某トップレベル私立男子校を卒業後東大に半年間通い、その後ハーバードに留学生ではなく正規の学生として入学したツワモノなのです……!たまにテレビでこういう人の特集をやっていて、雲の上の存在だと思っていましたが、意外と身近にいました。しかも帰国子女ではなく、“純ジャパ”、つまり今まで一度も海外に住んだ経験がなかったのです。彼は参加者としてではなく、ハーバードの運営委員会の1人としてHPAIRに参加していました。Daniel Trust氏に私がインタビューしている写真も、彼が運営として撮ってくれたものです。
こんなツワモノにインタビューしないわけにはいかない!
ということで、会議中多忙な彼を捕まえて質問をぶつけてみました。
質問その1:自国において一番の問題は何だと思う?
中高生の大学の捉え方が一番問題だと考えています。進路選択時に「自分が大学をどう使うか」という観点を持っておらず、大学をうまく活かしきれていない人が多いのではないかと思います。その一方アメリカは「将来何をしたいのか?」と考え、主体的に進路を選ぶ環境があります。現在この問題意識をもとに“NPO法人 留学フェローシップ”の理事長を務めており、中高生に海外も含めた広い選択肢から主体的に進路を選びとってもらうためにサマーキャンプやワークショップ付き説明会を全国各地で行っています。
(留学フェローシップについて詳しくはこちら→http://ryu-fellow.org/)
質問その2:自国の男性の魅力は何?
……俺多分、一番その質問したらあかん人やで!!(笑)
なんやろなー……
(高島くん、しばし考える。こんなすごい人にこんなアホな質問をぶつける私もどうかしています。)
やっぱりアメリカに来て気づいたのは、日本人は気遣いがよくできるということです。特に時間に関する意識と言葉かな。にじみ出てる。
……こんな感じでいい?(笑)
せっかくなので、日本の中高生向けにメッセージをいただきました!(中高生向けと言いつつ、大学生の私も考えさせられました。)
1番大切なのは、色々チャレンジすることだと思います。僕が大切にしている言葉は「チャンスの神様には前髪しかない」です。つまり、チャンスの神様には後ろ髪がないため、それを逃したらチャンスは掴めない、ということです。その言葉を胸に、英語がすごくできるわけではなかったけれどもハーバード大学への進学を決めたり、このHPAIRの運営に参加したりと、自分には少し難しそうなことにもチャレンジしようと心がけています。“将来の夢”は暫定でいいと思います。僕だってまだわかりません。でも面白いと思うことにチャレンジし、多様な人に出会い、失敗を重ねることで少しずつ自分の進みたい道に近づくのではないでしょうか。
“すごい人だ”と何度も言ってきましたが、正直に言うと普通の人です(笑)
もちろん尋常じゃない努力を重ねてきたとは思いますが、“私たちとは全く別のタイプの人”というわけではないと思います。HPAIR5日目の最後のパーティーで私の名前が思い出せないあたり、記憶力もずば抜けているわけではないです(笑)。(ちょっと根に持ってる。)
……と、彼をけなしたいわけではなく、何が言いたいかと言うと、今回彼に出会ってみて努力と挑戦することの大切さを実感したということです。自分の限界を決めず、常に上を目指していく姿勢から学ぶことは多いな、と感じました。
ほらそこの、英語力はあるのに発展クラスに行きたくないからクラス分けテストで手を抜いたそこのあなた!!聞いてますか??(笑)
計14カ国、17人の学生への突撃インタビュー、いかがでしたか?
今学期は学内突撃インタビューもたくさんしていこうと思っているので、どんなにくだらない質問をされても笑顔で対応いただけると嬉しいです!!
以上、蛮勇亭にゅーとんでした!
前回の記事ではHPAIRの概要を説明したので、今回は私の感想を少しだけお伝えします。
感想その1:意外とゆるい!笑
HPAIRに行く前は、先輩方のお話からしてすごくアカデミックでみんなずっと議論しているお堅い会議だと思っていました。しかし実際にはもう少しカジュアルで、いい意味で砕けた会議でした。というのも、やはり世界の学生は日本人学生よりは“パリピ”で、香港という立地もあって夜は開催地の大学からクラブ街までは電車で40分くらいかかるのにクラブに行く人が多くいました。また、世界各国からトップレベルの学生(※少数ですが社会人も参加生としていました)が来ているとはいえ、やはり学生なので基本的に楽しみたい、という精神は同じです。タレントショーでビートボックスを披露したり、マジックをやって気になった女の子に風船で作ったお花をプレゼントするなど、エンターテインメント性の高い5日間でした。
最終日のパーティーの帰りにタクシーを捕まえられず、一緒にいた10cm越えのヒールを履いていた子が耐えきれず裸足で地下鉄に乗るのをみんなで爆笑しながら歩く、といったアホな時間もたくさんありました(笑)
感想その2:それでもやっぱりレベルが高い!
意外とゆるい、と言ってしまったのですが、それでもハイレベルな環境だったなと一番感じたのはみんなでごはんを食べる時でした。もちろん学生同士なので芸能ネタや恋愛話など砕けた話もしましたが、ふとした拍子で宗教や政治などの真面目な話題になると、みなしっかり自分の意見を持って議論をし始めました。特に自分との差で一番感じたのは、彼らは新聞やネットニュースだけでなく、National GeographicやTIMEなどの学術雑誌も熟読している人が多く、知識量が膨大でした。そんな多くの知識をバックグランドとしてでてくる意見には、はっとさせられるものが多くありました。楽しむときは楽しみつつも、内側ではしっかり知識と考えを持っている人たちに囲まれ、たくさんの刺激を受けました。
感想まとめ:いいつながりができた!
周りから刺激を受けたり、カルチャーショックを受けたりと色々ありましたが、会議を終えてみて一番感じたのは、“いい人脈を作ることができた”ということです。
特にこのような会議に参加している学生の多くは留学などで世界各国を旅している人が多く、“来年アメリカに留学する人たちで再び集まろう”、だったり、“今度日本に旅行するんだけど誰か会おう!”などの呼びかけが多く起きていました。
1つの会議に参加しただけで5大陸なんて簡単に制覇できてしまうくらい多くの国の学生と知り合いになれたこと、そしてSNSの発達によりその人たちとのつながりを将来にまで持続させることができるのは素敵なことだと感じました。たった5日間でこんな経験ができる会議はなかなかないと思います。
興味のある方はぜひ来年の参加を検討してみてください!!
HPAIRについて詳しくはこちら→http://www.hpair.org/
この記事をシェアしよう!
あわせて読みたい